法定調書と支払調書。

(ほ)法定調書と支払調書
はじめに、
◎年末調整とは、
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2020/01.htm
ご参照願います。
◎法定調書(ほうていちょうしょ)とは、所得税法、相続税法、租税特別措置法などにより税務署への提出が義務づけられている書類を言います。
法定調書の種類は多く、全部で60種類あります。その代表的なものが、源泉徴収票と支払調書です。
「支払調書①」
毎年1月に、法定調書の作成・提出があります。
フリーランスなどの個人の外注さんの取引が多いと、
「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」
の作成だけでも大変な仕事になります。
そして、こわいことに。
提出しないと「ほぼ間違いなく税務署から催促の電話が来ます。」

さて、
法定調書と支払調書の違いは、なんでしょう?
答えは、
60種類もの法定調書の中に、支払調書や源泉徴収票があります。
支払調書は「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」「不動産の使用料等の支払調書」など、十数種類あります。
「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」
の提出範囲と書き方の説明をします。

支払調書は、
税務署に提出が義務づけられる法定調書のひとつです。
支払調書にはいくつか種類がありますが、
通常、「報酬、料金、契約金および賞金の支払調書」を指すことが多いです。
「支払調書」は、
個人の取引先に対し、報酬を支払った場合に、
発注側が作成し税務署に提出します。
「従業員への給与」は、源泉徴収して支払う所得税がありますが、
個人の取引先に外注した報酬・料金も、従業員と同様に、一定額を超えた場合に、原則、所得税を源泉徴収し、支払先に代わり、所得税を税務署に支払います。
つまり支払調書とは、「源泉徴収票」のようなものと言えます。
給与の支払いがなく、源泉徴収義務者に、ならない場合は、支払調書の作成義務はありません。
支払調書の提出必要範囲は、所得税法204・205・206条に、記載があります。
(1) 原稿、講演、デザイン等への報酬。
原稿料、著作権使用料、講演、版下校正、翻訳等で、
同じひとに対し、
年間支払額が5万円を超える場合は、
支払調書の提出が必要です。
懸賞等応募作品の選考料や審査料、賞金、文学賞等の受賞賞金などは源泉徴収の対象外です。
「デザイン料は?」
報酬にデザインから制作等までの費用が含まれている場合、デザイン料とその他の報酬を区分して、デザイン料にのみ源泉徴収を行うこととされています。
したがって、webサイト制作も同様です。
コーディング等の作業費は、対象外です。
※コーディングとは「プログラミング言語を使ってソースコードを作成すること」。 一方、プログラミングは「プログラムを作成する作業全般」を指します。 つまり、コーディングはプログラミングの作業の一部、ということになります。
※ デザイン料が少額だった場合は、対象外です。

(2) 弁護士、税理士などの士業に対する報酬。
同じひとに対する年間支払額が5万円を超える場合、
支払調書の提出が必要です。
(3) プロスポーツ選手、ファッションモデルなどへの報酬。
同じひとに対する年間支払額が5万円を超える場合は、支払調書を提出します。
ただし、プロボクサーは、年間支払額が50万円を超える場合とされています。
(4) 外交員、集金人、検針人などへの報酬。
同じひとに対する年間支払額が50万円を超える場合、支払調書の提出が必要です。
(5) ホステス、コンパニオン等への報酬。
同じひとに対する年間支払額が50万円を超える場合に、支払調書の提出が必要です。
ただし、芸妓さん、バーテンダー、配膳人への報酬は含まれません。
また、barなどの経営者以外から支払われた場合は源泉徴収の対象とはなりません。
しかし、お客様からbarなどの経営者を通して支払われた場合は、barなどの経営者が支払ったと判断され源泉徴収を行います。
(6) 芸能人や芸能関係者への報酬。
テレビ・ラジオ放送や役者、監督、プロデューサーなどへの報酬。
同じひとに対する年間支払額が5万円を超える場合は、支払調書の提出が必要になります。
(7) 社会保険診察報酬支払基金が支払う診察報酬。
同じひとに対する年間支払額が50万円を超える診療報酬は、支払調書の提出が必要です。
(8) 事業広告宣伝のための賞金など。
事業の広告宣伝のための、スポンサーなどから支払われる賞金などで、同じひとに対する年間支払額が50万円を超える場合には、支払調書の提出が必要です。
(9) 馬主に支払われる競馬の賞金。
個人馬主・国内法人の馬主に対し、競馬の賞が支払われた場合。
1回75万円を超える賞金支払があった場合は、その年に支払われた全ての賞金に対して支払調書の提出が必要です。

また、支払調書には、
「不動産の使用料の支払調書」
「不動産等の譲受けの対価の支払調書」
「不動産等の売買又は貸付のあっせん手数料の支払調書」
などもあります。
特に「不動産の使用料等の支払調書」は、
事務所の家賃や駐車場の地代、権利金や更新料など、同じひとに対して年間15万円を超える不動産の賃借料を支払った場合に提出が必要です。
また、催物会場のような一時的な賃借料、
広告等のための塀など土地、建物の一部を使用する場合の賃借料についても、
支払調書を提出する必要があります。
(貸主が法人の場合、提出義務がある支払いは権利金や更新料等のみに限定されます)
不動産を賃貸している場合、
「忘れた」
「知らない」という場合が多いです。
また、支払調書は、原則と「個人」分のみです。
法人は必要ないとされています。
ただし、税理士法人など、「法人(人格のない社団等を含む)に支払われる報酬・料金で源泉徴収の対象にならないもの」であっても、支払調書の提出範囲に該当する場合は支払調書を提出します。
少し、難しい説明です。



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