16-6①短期前払費用
「前払費用」は、本来は、支払いの時点で資産計上し、その後、役務の提供を受けていく中で、費用化されるものです。
ただし、企業会計原則では、重要性の乏しいものについては、
本来の厳密な会計処理によらず、
→他の簡便な方法により、正規の簿記の原則にしたがった処理として認めています。(重要性の原則)
法人税の計算上、この
「重要性の原則」から、
「短期前払費用の特例」
①契約に従い継続的にサービスの提供を受けるもの。
(等質・等量のサービスであること。)
役務の提供の対価であること。
② 毎期継続して同様の経理処理であること。
等々
◯短期前払費用の特例が適用されない例。
①月払いで契約を交わしていた家賃等を1年分を前払いしたとしても短期前払費用の特例を受けることはできません。
(家主等の了承を得ていれば、大丈夫です。)
(年払い契約に変更の必要性あり。)
「地代家賃」以外に、「賃借料」「工業所有権の使用料」「保険料」「月払いの会費」などは、
短期前払費用の特例の適用を受けることができます。
コンサルタント・顧問税理士等への報酬を1年分を前払しても、短期前払費用の特例を受けることはできません。
※コンサルタント・税理士等のサービスは、等質・等量のサービスとは言えないと言われています。
期間限定の雑誌広告やテレビCM放映料等の広告宣伝費の前払は、短期前払費用の特例を受けることはできません。
また、
賃貸事務所の1年分(4月から翌年3月分の家賃)
を
2月に前払した場合、
支払った時期から1年を超える期間を対象としていますので、短期前払費用の特例を受けることはできません。
◯短期前払費用の特例は、
・重要性の乏しいものについて、企業会計上の簡便な処理を税法上認めるという趣旨です。
従って、
・原価的要素。
・重要な営業費用
は、短期前払費用の特例の適用を受けることはできません。
財務内容に占める影響力・比率などを勘案して判断されます。
ところで、簡便とは、どういう意味でしょうか?
わかりやすく言うと、
重要性の基準値をラインにして、
重要性あり→発生主義
重要性が乏しい→現金主義のような判断です。
簡便であっても、正しい方法であり、認められます。
bluefish
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