分掌変更に、ともなう退職金支給。

4-7 分掌変更に、ともなう退職金支給。

分掌変更退職金と言うものがあります。
代表取締役社長から非常勤の取締役に退いたり、取締役を退いて、顧問や相談役という代表権がない名誉職に収まる場合、
また、代表取締役を退任後、監査役の立場で、会社に関与するような場合、
このように、事実上の引退になり、役員退職金を支給することがあります。
つまり、名目上、非常勤取締役や監査役として役員の地位に残った場合、分掌変更に伴う役員退職金を支給することが出来ます。

たまには、根拠記載しますね。
法人税基本通達
9-2-32
(要約)
仕事・事務分担を変更。(分掌変更)したことによりその役員としての地位または職務の内容が激変した時、退職したと同様と認められるので、退職給与として取り扱うことができる。
(昭54年直法2-31「四」、平19年課法2-3「二十二」により改正)
 
ただし、
①その後、その法人の経営上主要な地位を占めていないこと。 
②給与がおおむね50%以上の減少したこと。
この通達は、かなり歴史がある通達で、
否認されづらい、という暗黙の合意がありました。
しかし、平成19年の最高裁判決で、要件を満たしているが、退職事実は、なしとして、退職金が否認された事例があります。
新しい社長(息子)が、会社を把握できていないこと、保険金の収入を退職金にあて、法人税を減少させたと言う内容で、否認されています。

退職金の否認の場合は、
①法人税の計算上費用になりません。
②退職所得に該当しないため、所得税も高く計算されます。
さらに、
③源泉所得税の追加納付が必要となりますので、
散々な結果になります。
分掌変更に、ともなう退職金支給には、実際に退職しているという事実が重要です。



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