委託販売方式と売上計算書到着基準。

1-5 委託販売方式と売上計算書到着基準。
分かり易くするために、アパレルの例で記載します。
・アパレルメーカーさん(委託者)
・洋品店さん(受託者など)と置き換えます。
○委託販売とは、 
アパレルメーカーさんは所有権留保したまま、洋品店へ販売を委託する販売方法です
洋品店、楽器店、書店などによく見られる形態です。
メーカーさんは商品を小売店へ発送し、
小売の店頭に陳列してもらい、
洋品店は店頭で売れたときにアパレルメーカーさんからの仕入計上します。
委託販売の商品の所有権はアパレルメーカーさんにあるため、商品は洋品店にあっても、アパレルメーカーさんは、在庫としてカウントしなければなりません。
ただ、収益の計上のタイミングが合わないことがあります。
一般的な販売方法だと、
アパレルメーカーさんから洋品店さんへの販売時点で売上計上します。
もちろん、洋品店さんの見込み発注ですから、売れ残りが発生し、返品を受ける場合があります。
すると、卸業者は大量に売上げた事業年度は利益が大きくなり、税金も発生します。
返品受けた事業年度には損失が発生します。
この方法では、未確定な利益に対し納税が発生する可能性があります。
健全経営において、未確定な結果で申告するのは、問題と考えます。

そこで、売上計算書到着基準と言うものがあり、洋品店さんが売上計算書を月単位で継続して作成しアパレルメーカーさんに送付している場合に限り、
特例として洋品店さんからアパレルメーカーさんへ売上計算書が到着した日の属する事業年度の計上が認められます。
もちろん、委託販売では、洋品店さんに商品発送段階では、アパレルメーカーさんは売上計上できません。
委託販売において、アパレルメーカーさんが売上計上できるのは、
洋品店さんが実際にお客さんに商品を販売した日となります。(販売基準)
ただし、洋品店さんから販売のつど売上計算書(仕切精算書)を送付されている場合は、事務処理の観点から売上計算書の到達した日を売上計上日としても良いとされています。
(これを売上計算書到着基準・仕切計算書到達日基準といいます)。
たとえば3月決算のアパレルメーカーさんが4月3日に売上計算書を受け取った場合、販売基準だと、3月30日付けに、なります。
売上収益は前期の収益として計上されます。
アパレルメーカーさんで売上計上するのは、
通常は、原則的には洋品店さんが、お客さんに商品販売した日になります。
売上計算書到着基準・仕切精算書到達日基準では、
洋品店さんから販売のつど売上計算書(仕切精算書)を送付されている場合は、売上計算書が到達した日を売上計上日として認められています。
たとえば3月決算のアパレルメーカーさんが委託販売について売上計算書到着基準・仕切精算書到達日基準を採用している場合、4月3日に売上計算書を受け取った時は、4月3日付け売上計上します。)
この場合、委託販売に関する売上収益は当期の収益として計上されます。
正確な損益を把握するだけでなく、売上計算書をもとに在庫管理を徹底され、破損、減耗などの在庫差異も把握出来ます。
委託販売をされている会社さん、ご一考願います。


節税ノート④

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