11-5 リース取引で固定資産を調達した場合。
会社が固定資産をリースで調達すると、税務上有利とよく言われます。
会社が固定資産を購入した場合、購入費用は、いったん資産に計上され、その後、その資産の種類に応じた耐用年数にわたり、減価償却費として計上されます。
例えば、200万円の複合機(コピー・FAX・スキャナ)を購入した場合。
複合機
耐用年数は5年
減価償却費(定額法)
おおよそ、200万円÷5年=40万円/年
(正確にはもっと複雑な計算です。)
4年のリースで調達。
単純に計算すると 200万円÷4年=50万円/年
(利息・手数料相当額は考慮していません。)
一般的に、リースの方が各事業年度の経費を多く(50万円-40万円=10万円)計上できます。
つまり、耐用年数よりも短い期間でリース契約を結んだとすると、購入の場合よりも早くその調達資金を経費にすることができます。
それでは、キャッシュフローで考えてみましょう。
(1)リースは最終的な支払額が多いです。
リース料は利息や手数料相当分が購入価格に上乗せされて算定されます。
従って、トータルの支払額は購入の場合と比べて必ず多くなります。
(2)リース期間は、その耐用年数の100分の70を下回る期間で契約できません。
例えば、上記の複合機の場合、
5年×70%=3年(端数切捨て)を下回る2年のリース契約は結ぶことができません。
(3)固定資産を調達した場合、「税額控除」の特典を受けることができます。
これは購入でも、リースでも受けることができますが、リースの方が適用要件のハードルが高くなります。
現金で一括購入できる、余裕があるなら、リースにする必要はありません。
リース料に含まれる利息や手数料相当分を考慮すると、節税効果も含んだ最終的なキャッシュアウト(現金支出)は一般的には、リースの方が多くなります。
でも、リースにした方がお金は減りません。
資金繰りでの判断だと考えます。
bluefish
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